この統計の読み方
この統計は野生鳥獣による「農作物」の被害を、都道府県が市町村の報告を基に取りまとめて農林水産省に報告したものです。 数字の意味を間違えやすいところを、原典の注記の原文とあわせて置いておきます。
1. これは人身被害の統計ではありません
この統計に、人身被害の件数は1件も入っていません。 クマなどによる人身被害の件数と、クマの出没情報は、環境省が別に公表しています。 この統計(農林水産省)が数えているのは、農作物が食べられたり踏まれたりした面積・量・金額だけです。
2. 「0」は「被害が無かった」という意味ではありません
3.「0」は単位に満たないもの。 「野生鳥獣による市町村別農作物被害状況(令和7年度)」(参考3)(農林水産省)の注記より引用
つまり「0」は1ha・1t・1万円に満たないという意味で、被害が無かったことを表していません。 市区町村別の表の数値の欄 32,172個のうち、15,352個(47.7%)が「0」です。 当サイトでは、この「0」に 0* のように印を付けています。
だから当サイトは「被害ゼロの市区町村」という一覧を作りません。その集合は、この統計からは決められません。
3. 「-」の意味は、原典のどこにも書かれていません
市区町村別の表には「-」と書かれた欄が 4,515個あり、 21の欄がすべて「-」の市区町村が 215件あります。
原典の注記は4つで、そのどれにも「-」の説明がありません。 全国表・都道府県別表・推移表・作物別表の注記も読みましたが、やはり「-」の説明はありませんでした。
そのため当サイトは、「-」を 0 とも「報告なし」とも「被害なし」とも書き換えません。 原典の記載どおり「-」と出し、意味の説明を付けません。意味を知りたい場合は 農林水産省の公表ページでご確認ください。
4. 当サイトは被害の多い順に並べません
4.各市町村において作付面積や作物が異なるため、被害の大小と対策の実施状況との関係が必ずしも一致するものではない。 「野生鳥獣による市町村別農作物被害状況(令和7年度)」(参考3)(農林水産省)の注記より引用
原典自身が「被害の大小と対策の実施状況は必ずしも一致しない」と書いています。 さらに被害金額は作物の単価に左右されます(果樹や水稲の単価は飼料作物と違います)。 被害面積は農地の広さと山林との接し方に左右されます。 そして被害額は市町村が調べて報告した額なので、調査のやり方にも左右されます。
だから当サイトでは:
- 並べ替えは団体コード順だけです。被害の多い順の一覧も、「全国○位」も作りません。
- 被害面積・被害量・被害金額の3つを必ず並べて出します。金額だけを見せると、単価の高い作物の産地が深刻に見えてしまいます。
- 「対策が足りない自治体」と読めるような見出しや印を作りません。
5. 当サイトは合計を計算していません
全国の合計は原典の別添1、都道府県の値は参考2、市区町村を合わせた「計」は参考3、 地方ブロックの小計は参考2に、それぞれ原典が公表している値として入っています。 当サイトはそれをそのまま出しているだけで、足し算をしていません。
2.ラウンドの関係で合計が一致しない場合がある。 「野生鳥獣による市町村別農作物被害状況(令和7年度)」(参考3)(農林水産省)の注記より引用
そのため内訳を足しても合計に一致しないことがあります。 原典の2つの表(都道府県別の参考2と、市区町村別の参考3の「計」)で値が食い違う欄もあり、 その場合はどちらにも寄せずに両方を出して、食い違っていることを書いています。
6. 「うちシカ・イノシシ・サル・クマ」は獣類の内訳です
市区町村別・都道府県別の表の区分は 鳥獣計・鳥類・獣類と、 その獣類の内訳としてのシカ・イノシシ・サル・クマです(原典の見出しが「うち」になっています)。 鳥獣計の内訳ではありません。また市区町村別に数字があるのはこの4種類だけで、 ほかの21の鳥獣種類は鳥類・獣類にまとめられています。
7. 鳥獣種類の区分の細かさが表によって違います
原典の全国表(別添1)と被害金額の推移(別添2)は22区分で、 作物別(参考1)と推移(参考4)は25区分です。
4.「その他鳥類」にはキジ及びサギ、「その他獣類」にはモグラ、マングース、タイワンリス及びキョンを含む。 「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和7年度)」(農林水産省)の注記より引用
つまりキジ・サギ・モグラ・マングース・タイワンリス・キョンの6種類は、全国表では「その他」にまとめられています。 当サイトは細かいほうの25区分でページを作り、全国表に無い6種類には「対前年度が公表されていません」と書いています。
8. 市区町村別は令和7年度の分しかありません
前年度(令和6年度)の公表資料には市区町村別の表が付いていません(当サイトで実際に確認しました)。 市区町村別が公表されたのは令和7年度が最初です。 そのため市区町村の推移は作れません。年度をまたぐ数字は全国(27年度)と都道府県でご覧ください。
9. 原典は訂正を繰り返しています
令和6年度の数字は、公表から10か月のあいだに2回訂正されました。 平成27年度から令和5年度の分にも訂正が出ています。訂正の履歴と、当サイトが使った版
出典:「野生鳥獣による市町村別農作物被害状況(令和7年度)」(参考3)・「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和7年度)」(別添1)(農林水産省)(https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/index.html)(2026年10月22日に利用)
上記を加工して作成(公開データアーカイブ)/原典の公表ページの更新日:2026-10-16